愛知県名古屋市瑞穂区•南区イオンモール新瑞橋1F プルチーノ歯科•矯正歯科 、管理栄養士の鈴木です。 あまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、今回からは歯周病と関節リウマチについてのお話です。 まず、関節リウマチとはどんな病気か。。。 関節リウマチは、持続的な関節滑液の炎症、関節軟骨および周囲の骨の損傷を特徴とする疾患です。成人に発症し、女性の罹患率が男性の3倍、高齢になるほど罹患しやすい性質の疾患でもあります。 関節リウマチは全身の関節にも影響する可能性があるが、とくに中手指関節、近位指節関節、中足指節関節などの手足の関節、手首、膝関節に症状が出ることが多いです。 関節リウマチは、関節に多発の慢性炎症を生ずる自己免疫疾患で、兆候は典型的な炎症状態であり、罹患した関節では腫脹、発熱、疼痛、こわばりの症状が現れます。また、持続的な炎症により、関節表面で腱の断裂、破壊が生じます。 では、関節リウマチと歯周病の関係とは・・・ 歯周疾患と関節リウマチは、両疾患ともに骨に近接する組織の慢性炎症であり、病因が非常に近似しています。疾患の進行に伴い、組織内にはさまざまな炎症性サイトカインが高レベルに確認されます。臨床症状も類似しており、疼痛、腫脹、そして圧痛を伴い、治療せずに疾患を放置しておくと、これらの慢性炎症により最終的に周囲の骨破壊が生じます。 このように罹患する組織は異なるが、両疾患の多くの類似性から、それらの関係性が古くから疑われてきました。そして、1982年に歯周歯周病に罹患した歯周組織からリウマチ因子が発見されて以来、関節リウマチと歯周疾患の関係について、臨床的および分子細胞レベルの各々の側面双方から、さまざまな研究が行われてきました。 臨床的に両疾患にどのような関係があるのか ①つ目、論文によると 健常者と比較して関節リウマチ罹患者では歯牙喪失(歯を失う)の割合と歯槽骨吸収(歯を支える骨が痩せてくる)の割合が約2倍。 リウマチ因子を持つ関節リウマチ患者において、それらの頻度が最も高くなることも分かっている。 このことから、関節リウマチは歯周疾患に影響を及ぼすことが示唆される。 ②つ目、研究によると 歯周疾患患者の関節リウマチの発症率についてのデータがあり、健常者よりも歯周疾患患者のほうが、発症率は高い傾向がみられる ③つ目、日本における関節リウマチと歯周疾患の関連性を示す最近の研究では 歯周炎の存在とメトトレキサート(抗免疫製剤)による関節リウマチの薬物療法の開始との間には相関性がみられ、歯周炎に罹患している患者の方が2.7倍もそのリスクが高かったと報告。 歯周病があると 関節リウマチになる確率が高まり、 関節リウマチがあると 歯周病のリスクも高まる のですね。 上記にもあったように関節リウマチは高齢女性に多いようです。 うちのおばあちゃん、関節リウマチだけど 歯は大丈夫だろうか? 一度 歯科検診をしてみましょう! プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております♪ 愛知県名古屋市南区イオンモール新瑞橋1Fにあるプルチーノ歯科•矯正歯科 名鉄呼続駅から3分、地下鉄桜通線•名城線新瑞橋駅から徒歩5分 土日祝日診療 お電話は052-693-8241 歯科検診、矯正相談、治療相談、そして栄養相談も いつでも受付けております。
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 今回は、歯周病と肥満・メタボリックシンドロームの関連性についてです。 参考文献によりますと・・・ 1. 肥満 → 歯周病 肥満は歯周病の罹患リスクを増加させる可能性がある。 肥満度が進行すればするほど、歯周病の有病率と重症度が高くなることを示す研究が存在する。 2. 歯周病 → 肥満 歯周病は肥満を引き起こす一因である可能性がある。 3. メタボリックシンドローム → 歯周病 ①メタボリックシンドローム は歯周病との関連性を示す可能性がある。 ②メタボリックシンドロームの診断基準に該当する項目(腹囲肥満、高血圧、低HDL、高中性脂肪、高血糖)が多いほど、歯周病のリスクが増加していることを示した研究がある。 4. 歯周病 → メタボリックシンドローム 歯周病はメタボリックシンドロームを構成する因子に影響を与える可能性がある。 ダイエットしているのにうまく減量できない とか、食生活や生活習慣の見直しをしているのにメタボの数値が良くならない・・・など もしかしたら歯周病のせいかもしれません。 歯周病を治して、身体もすっきり改善!を目指しませんか? 歯科検診、歯周病ケアはもちろん 栄養改善もお任せください! プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております。
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 今回は 肥満・メタボリックシンドロームと歯周病の関連メカニズム についてです。 口腔内の感染と全身の関りの本質的なメカニズムとして、以下の3つがあります。 ①一時的な菌血症の結果として起こる感染症の全身的な影響 ②口腔内細菌毒素の体内循環によって起こる細胞傷害の全身的な影響 ③口腔内細菌によって引き起こされる免疫機構による炎症の全身的な影響 歯周病と肥満・メタボリックシンドロームでは慢性的に体に炎症を引き起こす点で共通しており、双方向的な影響の可能性も指摘されています。 近年、脂肪組織にはマクロファージ(貪食細胞)が多く浸潤、集積していることがわかりました。 そして 肥満者では遊離脂肪酸または歯周病原細菌の内毒素が存在する状況だと、脂肪細胞とマクロファージが協調してIL-6やMCP-1などの炎症性サイトカインを分泌することが分かっています。 MCP-1はマクロファージに対する走化性因子で、マクロファージの脂肪組織への集積を促進します。一方、IL-6は肝臓に流入し肝臓からCRPの分泌を促進させます。 重度の歯周病患者においてはCRP値が上昇し、歯周病治療を行うとその数値は低下することから、歯周病原細菌の内毒素により活性化されたマクロファージは脂肪細胞に集積し、さらにアディポサイトカイン(生体活性物質)の産生が亢進し、炎症反応を増悪させるという図式が考えられています。 また、脂肪細胞を詳しく見ていくと、とりわけ白色肥満組織はアディポサイトカイン、TNF-α、レプチン、アディポネクチン、レジスチンなどの生体活性物質を内分泌するように働く組織であり、歯周病組織反応、歯周組織への感染性などにも影響を与えます。 TNF-α、IL-6などの炎症性サイトカインは歯周組織の炎症で有意にみられるものであるが、糖質や脂肪の代謝に影響を与えることが知られています。 血漿内の総コレステロール値、LDLコレステロールと中性脂肪は歯周病患者においてより高い値が示され、歯周病も高脂血症の危険因子かもしれないと考えられています。高脂血症により引き起こされる白血球の高活性が活性酸素の発生を増加させ、歯周病の進行と関連していると考えられており、歯周病患者における抗酸性化能の減少がインスリン抵抗性をさらに招く可能性が示唆されています。 ◇歯周病が肥満を起こしている可能性を示す一つの動物実験があります。 グラム陰性菌(歯周病原細菌の仲間)の周囲に付着している内毒素をこうせいするLPSを4週間持続的にマウスの皮下に埋め込むと、肝臓と脂肪組織の重量が増し、体重増加がみられた。また、高脂肪食を与えることによって肥満度が増し、インスリン抵抗性を経て糖尿病を発症した。ところが、高脂肪食のみを与えた無菌マウスでは体重増加は認められなかった。 また、歯周病原細菌由来のLPSが非アルコール性脂肪性肝疾患(メタボリックシンドロームと関連が深い)を引き起こす可能性が歯周炎ラットモデルで示されたことや、歯周病原菌P.gの口腔内感染は脂肪性肝炎(肥満と関連性が高い。)を進展させる可能性があることから、歯周病は肥満やメタボリックシンドロームを引き起こす因子の1つである可能性が示唆されています。 少し難しいですが 歯周病と肥満・メタボリックシンドロームとは関連があること、 肥満・メタボリックシンドロームは糖尿病を招くかも知れないこと、 また以前のブログで書きましたが糖尿病と歯周病との関係も大変深いこと・・・ 色々繋がってくるんですね。 身体もお口も両方が健康でありたいですね。 歯科検診を受けて、歯周病が無いかチェックしましょう! 肥満・メタボリックシンドロームの一因を取り除きましょう♪ プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております☆
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 夏、本番ですね・・・ アイスクリームが おいしい😋季節ですが、食べすぎ注意です☆ (美味しいご褒美を楽しむためにも、日ごろは控えめに・・・ですよ!) さて、お話は前回の続きです。 ①肥満・メタボリックシンドロームの疫学 世界的には5億人の肥満成人がいると推計さていて、さらなる増加が見込まれているそうです。 肥満者が増加することにより、歯周病と関連性が高い糖尿病など、いくつかの重大な疾患から受ける影響が大きくなっています。 肥満は予防できる病気で、死を引き起こす改善可能な第一の原因として考えられています。 日本国内での肥満者率は 男性28.7%、女性21.3%で(平成26年 国民健康・栄養調査)、ここ10年横ばいの状況です。 メタボリックシンドロームにおける有病率、男性25.3%(日本内科学会、1993年)です。 ②肥満・メタボリックシンドロームと全身疾患の関連性(メタボリックドミノ) ●過食や運動不足など生活習慣の乱れから、ドミノ倒しの最初の駒を倒すように肥満やインスリン抵抗性という病態が起きてきます。 ↓ ●次第にドミノは倒れて食後高血糖、高血圧、高脂血症といった生活習慣病を次々と招きます。メタボリックシンドロームの状態です。 ↓ ●メタボリックシンドロームでは比較的軽い病気が複数重なり、さらに年月を経て虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症など、重大な病気を引き起こす可能性が高まります。 ↓ ●こうしてドミノは総倒れとなり、心不全、認知症、脳卒中、下肢切断、透析、失明など重い病気に罹る危険性が非常に高くなります。 このように生活習慣の乱れからメタボリックシンドロームが起こり、病気が重なって一気に血管合併症が起こってくるという考え方がメタボリックドミノです。 ③肥満・メタボリックシンドロームと糖尿病との関連性 血糖値を下げるために膵臓のβ細胞から出るインスリンはインスリン受容体と働き血糖を下げます。肥満になるとインスリン受容体が足りなくなりますが、血糖を適正に保たせようと多くのインスリンを分泌させ膵臓に負担をかけます。また、肥大した脂肪細胞から分泌される炎症性サイトカインがインスリン受容体をブロックしインスリンがうまく働かなくなります。このようにインスリン分泌が盛んになっているにも関わらずインスリンが働きにくくなった状態を“インスリンの抵抗性”と呼びます。 この状態が長く続くと膵臓のβ細胞が疲弊し最終的にインスリン分泌能力が損なわれていきます。そして、血糖を下げる働きが弱っていき2型糖尿病の発症につながります。 肥満とメタボリックシンドロームは普段の生活習慣、食習慣の改善で防ぐことができます。 歯周病も日ごろのブラッシングや、歯科での定期的なケアで防ぐことができます。 食習慣を見直したいけれど、どうしたらいいのかなぁ? 歯科健診にいきたいなぁ! どちらも プルチーノ歯科・矯正歯科にお任せください♪ お待ちいたしております☆
歯周病と肥満・メタボリックシンドローム
17.07.20
カテゴリ:BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 今回からは 歯周病と肥満・メタボリックシンドロームについてのお話しです。 まず、はじめに・・・ ここ数十年の間に先進国および発展途上国において多くの肥満者がみられるようになり、また 肥満は死亡率を高める主要な原因であることは良く知られています。 その肥満に加え、メタボリックシンドロームは 抗炎症状態、脂質代謝異常、インスリン抵抗性などを伴い、歯周病との関連性が指摘されるようになりました。 歯周病が、心疾患、糖尿病、関節炎、低体重児出産など、他の全身疾患に悪影響を与える可能性があることは以前のブログでお話していますが、加えて 口腔内のバクテリアが 代謝効率増進、食欲増加、インスリン抵抗性の促進を通じて肥満に寄与している可能性があると考えられています。 では、 ◇肥満とは 健康を損ねるかもしれない程度、過度に体脂肪が蓄積している健康状態を指します。 肥満を診断するために体格指数のBMI(Body Mass Index)が用いられ、日本では25kg /㎡以上を肥満としています。 日本肥満学会は “肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする”状態 を肥満症とし、病気として扱うべきと提言しています。 体格指数の出し方と、体格指数に対する身体状態は以下の通りです。 BMI = 体重(kg) ÷ 身長(㎡) BMI 状態 18.5以下 低体重(痩せ) 18.5以上 25未満 普通体重 25以上 30未満 肥満 1度 30以上 35未満 肥満 2度 35以上 40未満 肥満 3度 40以上 肥満 4度 BMIのみでは全身的な評価で 体脂肪分布が評価できない為、腹部肥満を評価するためには腹囲測定も必要です。 (太ってるイメージ、あっぷっぷ。。。) そして、 ◇メタボリックシンドロームとは 内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)であることに加え、 中性脂肪高値・HDLコレステロール低値、血圧高値、空腹時血糖値高値のいずれか2つ以上を併せ持った状態のことを指します。 日本での診断基準は以下の通りです。 項目 基準値 腹部肥満 男性85cm以上 、女性90cm以上 中性脂肪 150mg/dl以上 HDLコレステロール 40mg/dl未満 血圧 収縮期130mmHg以上 / 拡張期85mmHg以上 空腹時血糖値 110mg/dl以上 最近、 健康診断 は受けましたか?少々太っていても、少々数値が悪くても、痛くもかゆくもないので放っておきがちですが、肥満症やメタボリックシンドロームは放っておくと心疾患や脳血管疾患などの重篤疾患につながりかねません。 歯科検診 は受けましたか?歯周病は肥満やメタボリックシンドロームと関連があるのです。 健康診断も、歯科検診もぜひ定期的に受けましょう! 歯科検診はプルチーノ歯科・矯正歯科にお任せください♪ お待ちいたしております☆ 次回は歯周病と肥満・メタボリックシンドロームの続きです。