矯正歯科といえば、「見た目がよくなる」「食べ物が噛みやすくなる」といったメリットがよく聞かれます。 ただ矯正歯科に限らず、どの歯科治療にもメリットの裏には必ずデメリットがあり、治療を始めるにあたってはデメリットについてもよく理解しておくことが大切です。 矯正歯科のデメリット ①費用や時間がかかる 矯正歯科には基本的に保険が適用できないため、通常の歯科治療よりも費用が高額になるほか、治療期間も他の治療よりも長くなります。 費用については受診する歯科医院や使用する装置によって大きく異なりますが、一般的な費用相場としては大人で60~130万円前後、子供で40~80万円前後といわれています。 また期間については、こちらも患者様の歯並びの状態や治療の進み具合によって違いますが、おおむね2~3年はかかることが多いでしょう。 ②治療中に痛みを感じることがある 個人差はありますが、矯正歯科の治療中は痛みをともなうことがあります。 とくに装置を歯に着けた直後や、装置を調整した直後などは歯に新たな力が加わるため、そこから数日は痛みを感じやすくなります。 また装置が頬や唇に引っかかる、あるいは装置で傷がつくなどした場合に、粘膜に痛みを生じることがあります。 ③食事や会話、歯磨きがしづらい 矯正歯科の治療中はお口の中に”異物”が入る状態になるため、最初の頃は違和感も強く、また食事や会話のしづらさを感じやすくなります。 ただこれらに関しては時間が経つとともに自然に慣れてくるため、それほど心配する必要はないでしょう。 ただ固定式の装置(ワイヤー矯正)については、治療期間を通して歯を磨きにくくなるため、これまで以上の入念のケアが必要となります。 ④経験未熟な歯科医による治療後のトラブルが多い 矯正歯科は他の歯科治療とは別に、より専門的な知識や技術が必要になります。 一方で日本の法律では、歯科医師であれば誰でも『矯正歯科』と掲げて治療がおこなえるため、経験未熟な歯科医の治療によるトラブルも後を絶たないのが実状です。 ただこれについては、その歯科医院の矯正歯科における設備や治療実績などを事前にしっかりリサーチしておくことで回避することができます。 せっかく治療したのに「思っていた歯並びと違う」「前よりも歯並びが悪くなった」ということにならないように、歯科医院選びは慎重におこないましょう。 デメリットがあっても、矯正歯科をすすめる理由 矯正歯科治療には以上のようなデメリットがありますが、それでも治療をおすすめするのはデメリットよりもメリットのほうがはるかに勝るためです。 上記の①~③のデメリットはいずれも短期的なものであり、とくに②③に関しては治療が終ればその悩みからも解放されます。 また①についても初期費用は確かに高いものの、治療により虫歯や歯周病のリスクを減らし、歯の寿命を長くすることを考えると、長期的には医療費の削減につながるでしょう。
プルチーノ歯科・矯正歯科には「自分の歯並びをキレイにしたい!」という患者様がたくさんご来院されています。 では実際に”きれいな歯並び”とは、具体的にのような歯並びを意味するのでしょうか。 今回は歯列矯正における『きれいな歯並びの基準』についてお話ししてきましょう。 きれいな歯並びの基準①中心がそろっていて、左右対称 ぱっと目にした時に「この人の歯並び、きれいだな」と感じるのは、まず上下の前歯の中心がそろっていおり、さらにその中心に向かって左右の歯が対称に並んでいる歯並びです。 矯正歯科の分野ではこの中心を「正中」と呼んでいますが、正中がずれていると見た目の問題だけでなく、奥歯の歯並びや噛み合わせにも”ズレ”が生じている可能性があります。 また仮に正中がピッタリあっていても、左右の歯の大きさや並び方がバラバラだと、全体的に歯並びが悪く見えてしまう傾向があります。 きれいな歯並びの基準②歯の重なりが少ない 次に多くの方が歯並びで気になるといえば、歯並びの重なりや凸凹でしょう。 歯並びの重なりや凸凹を歯科矯正の分野では「叢生(そうせい)」といい、不正咬合の1つに挙げられます。 ただ歯の重なりや凸凹の程度は人それぞれで、それは個性の1つでもありますから、必ずしも一列にピッタリと並んでいる必要はありません。 一方で重なりや凸凹が強い部位では、段差や細かいすき間に汚れ(プラーク)がたまりやすく、また歯ブラシも当てにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。 したがって叢生に関しては歯列矯正で重なりや凸凹を解消しておくほうが、見た目だけでなくお口の健康にとってもメリットは大きいといえるでしょう。 きれいな歯並びの基準③上の歯がわずかに前に出ている 前歯の位置関係では、上の前歯が下の前歯よりもわずかに前方にあり、さらに少し覆いかぶさる(いずれも2~3mm程度)のが、きれいな歯並びの基準といわれています。 歯並びの見た目については、この上下の前歯の位置関係で悩まれる方も少なくありません。 具体例としては、上の前歯が前方に飛び出す「出っ歯(上顎前突)」、その反対に下の前歯が上の前歯より前方にある「受け口(下顎前突・反対咬合)」などがあります。 またその他に、奥歯が噛んだ時に前歯が噛み合わない「開咬」、噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯で隠れてしまう「過蓋咬合」などがあり、いずれも不正咬合として治療の対象となります。 以上がきれいな歯並びの主な基準となりますが、歯列矯正は単に見た目がきれいになるだけでなく、同時に噛み合わせを正しく整えることが大切です。 歯並びにお悩みの方は、お気軽にプルチーノ歯科・矯正歯科までご相談ください。
長い治療期間を経て理想的な歯並びを手に入れても、時間が経つにつれて歯並びが元に戻ってしまったり、治療直後よりも悪くなったりすることがあります。 これを歯並びの『後戻り』といいますが、後戻りをした歯並びを元に戻すには矯正治療のやり直し(再矯正)が必要となります。 ここでは歯並びが後戻りする理由や、治療がやり直しにならないための注意点などをご紹介していきましょう。 矯正治療がやり直しになる原因 まずは矯正治療がやり直しになる(後戻りがおこる)原因についてみていきましょう。 最初の矯正治療が不適切 初回に受けた矯正治療において歯科医の治療計画に不備があったり、技術的に問題があったりしたケースでは、無理な治療によって後戻りが起こりやすくなります。 歯並びが悪くなる原因が残っている 歯並びは頬や唇、舌など口周りの筋肉からの力による影響も大きく、たとえば唇を咬むクセや舌を突き出すクセ、口呼吸なども歯並びを悪くする要因になります。 矯正治療で仮に歯並びが良くなっても、このような悪習癖が残っていると後戻りを起こすため注意が必要です。 保定期間が短い 矯正治療では歯並びが整った後、その歯並びがしっかり安定するまで一定の保定期間を設け、「リテーナー」という取り外し式の装置を装着します。 保定期間は基本的に歯並びを治すのにかかったのと同じほどの期間をかけますが、この保定期間を正しく守らないと時間が経つにつれ後戻りしやすくなります。 やり直し(再矯正)にならないためにできること せっかくキレイになった歯並びが治療のやり直しにならないためには、最初に受ける治療で以下の点を心がけておくことが肝心です。 治療実績の豊富な歯科医院を選ぶ 後戻りが起こる原因のうち、「不適切な治療」や「歯並びが悪くなる原因(悪習癖)が残っている」というのは、いずれも治療する歯科医師の技量に問題があります。 したがって矯正治療を受ける際には、まずその医院における実際の治療実績や歯科医師のスキルなども十分に確認しておくことが重要です。 近年はホームページなどでこれらの内容を記載する医院も増えているので、事前にチェックしておくとよいでしょう。 治療が終わるまで、歯科医の指示に従う 矯正治療後の後戻りについては、患者様自身の管理不足によって生じるケースも多くみられます。 とくに保定に関しては、自分の希望した歯並びを手に入れたことによる油断から、ついリテーナーを個人の判断で外してしまう方も少なくありません。 ただこの最後の油断こそが、あとになって大きな後悔の種となってしまうため、最後の最後まで気を抜かずに歯科医の指示に従いましょう。
『八重歯(やえば)』は一般に、全体の歯並びから外側に飛び出したり、他の歯と重なりあったりする犬歯(前から3番目の歯)を意味します。 チャームポイントとして親しまれることもある八重歯ですが、一方で飛び出した犬歯が”牙”のように見えることから、口元の見た目で八重歯を気にする方も少なくありません。 そこで今回は、歯並びの中で『八重歯』だけを治したい場合、部分矯正でも治すことができるのかについてお話していきたいと思います。 症状の軽い八重歯なら部分矯正で治せることも 部分矯正とは前歯の気になる歯並びを治す治療法で、全体矯正よりも治療期間が短く、また費用も安いのが特長です。 八重歯も前歯の一部ですので、奥歯の噛み合わせに問題がなく、比較的症状の軽い八重歯であれば、部分矯正で治療が可能な場合もあります。 具体的な治療法として、一般的なワイヤー矯正のほか、インビザラインのようなマウスピースを使用した治療などが挙げられます。 部分矯正では治せない八重歯 八重歯でも次の項目に当てはまるケースは、部分矯正では治せない可能性が高いといえます。 ・奥歯の噛み合わせが悪い ・八重歯を本来の位置に戻すためのスペースが足りない ・八重歯以外にも歯並びの異常(出っ歯・受け口など)がある ・骨格的な問題がある 以上のようなケースでは、部分矯正でも挙げた「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」などを用いて歯並び全体の治療をおこないます。 なお、八重歯を治すのにスペースが足りない場合は他の歯の抜歯が必要な場合もあるので、詳しい治療内容については担当歯科医に相談してみましょう。 八重歯は矯正治療で治した方がいい? 日本ではかねてより八重歯は「可愛い」というイメージがありますが、歯科医療の観点でいうと八重歯にはデメリットのほうが多いといえます。 その理由の1つは、八重歯は上下の犬歯が噛みあわず、他の前歯や奥歯に負担がかかりやすくなることです。 正しい噛み合わせでは、顎を横にずらすと犬歯のみが合わさり、それ以外の前歯や奥歯が噛み合うことはありません。 犬歯はこのように顎を動かす時に”ガイド”としての働きがあり、他の前歯や奥歯に余計な負担がかからないようにしています。 八重歯ではこのガイドとしての働きがうまく機能しないため、顎を動かす時に他の前歯や奥歯にかかる負担が大きくなります。 また八重歯は他の歯と重なり合っていたり、通常の位置よりも上方にあったりすることから、歯ブラシが当てにくく、細かいすき間に食べかすやプラークが溜まりがちです。 そのため八重歯は通常の歯と比べて、虫歯や歯周病を発症するリスクが高くなります。 以上のことから、長い目でみると八重歯は早いうちに矯正治療で治しておくほうがよいといえるでしょう。
歯列矯正をはじめる年齢に制限はなく、とくに近年は昔にはなかった治療法が数多く誕生していることから、大人になってから治療をはじめる方も増えています。 大人の歯列矯正では長年のコンプレックスの解消にくわえ、将来的な虫歯・歯周病のリスクを軽減するほか、全身の健康面にも良い効果をもたらします。 ただ一方で大人になってから歯列矯正をはじめる場合、いくつか注意しておきたい点もありますので、今回はその注意点についていくつかご紹介していきます。 大人の歯列矯正の注意点①治療中は虫歯・歯周病になりやすい 矯正治療をはじめると歯の表面に器具がついたり、インビザラインでも1日20時間以上はマウスピースを装着したりと、お口の中がどうしても不衛生になりがちです。 とくに大人の場合は、30代以降になると歯周病の進行リスクが高まります。 歯周病は進行するまで症状があらわれにくく、気づいた時には手遅れになっているケースもめずらしくありません。 したがって大人が歯列矯正をはじめるに当たっては、これまで以上にセルフケアの徹底が必要となります。 大人の歯列矯正の注意点②歯並びによっては「抜歯」が必要になる 大人の歯列矯正が子どもの歯列矯正と大きく異なるのは、発育途中にある子どもの場合は顎の成長がまだ見込めるのに対し、大人の場合はそれが不可能であるという点です。 子どもであれば歯がキレイに並ぶためのスペースが不足している場合でも、顎の大きさや形をコントロールすることで歯並びを整えることができます。 一方で大人の場合は顎の大きさがすでに決まっているため、基本的には歯を抜くことでしかそのスペースを確保できません。 とくに顎と歯の大きさのアンバランスによって歯並びがデコボコしているケースでは、抜歯が必要になる可能性が高くなります。 大人の歯列矯正の注意点③歯ぐきが下がることがある 大人で歯並びの悪い方の中には、すでに歯周病にかかっている方も少なくありません。 このような方が歯列矯正をはじめる場合、先に歯周病をしっかり治しておかないと、矯正治療によりさらに症状が悪化して歯ぐきが下がってしまうことがあります。 また近年は歯を抜かずに歯並びを治す『非抜歯治療』が大人の歯列矯正でも人気を集めています。 しかし無理な非抜歯治療では、歯並び全体が本来あるべき位置から外側へ広がり、歯根(歯の根っこ)が露出してしまうトラブルも増えているため注意が必要です。 大人の歯列矯正の注意点④治療期間が長い 歯を取り囲む骨が頑丈な大人の場合は、歯を動かすのにも時間がかかります。 そのため大人の歯列矯正は治療終了までの期間が長くなることも事前に頭に留めておきましょう。 なおプルチーノ歯科・矯正歯科では、近赤外線の照射で歯の移動スピードを速め、治療期間を短縮する「オルソパルス(光加速矯正装置)」を取り扱っております。 少しでも治療を早く終わらせたいとご希望の方は、ぜひお気軽にお問合せください。