根管治療には「長い」「痛い」「終わらない」といったネガティブなイメージを抱く方が多いです。根管治療が上手くいかず、失敗に終わるケースも珍しくないため、いっそのこと歯を抜いてしまった方が楽なのでは?と考えてしまう方もいらっしゃることでしょう。
確かに根管治療は困難の多い処置ではありますが、患者さんのお口の健康において極めて重要な意味を持つものとなります。今回はそんな根管治療の内容や重要性、治療の流れや治療に伴うメリット・デメリットを名古屋のプルチーノ歯科・矯正歯科がわかりやすく解説をします。
【1】 根管治療とは
そもそも根管治療とはどんな治療なのか。その点についてまずはご説明します。
(1) 根管治療とはどんな治療
私たちの歯は、頭の部分である歯冠(しかん)と根っこの部分である歯根によって構成されています。一般的な虫歯治療は歯冠に処置を施すもので、細菌に侵された歯質を削り、詰め物や被せ物で補います。虫歯が進行すると、歯冠だけではなく、歯根の方まで感染が広がることから、処置の範囲も広げなければなりません。その際、必要となるのが根管治療です。
◎歯の根の中を清掃する処置
進行した虫歯では、感染した神経を抜き取らなければなりません。いわゆる抜髄(ばつずい)は、根管治療のスタート地点といえるでしょう。歯の神経と血管からなる歯髄は、根管と呼ばれる細い管の中に入っています。そのため歯の神経が侵された時点で、根管内も感染しているものと考えなければなりません。ですから、歯の神経を抜いただけでは治療は完了せず、根管内もきれいに清掃していく必要が出てきます。具体的には、リーマーやファイル、消毒薬などを使いながら、根管内を無菌化していきます。これが根管治療の内容です。
(2) 虫歯治療で抜歯は必要?
虫歯治療では、ケースによって抜歯が必要となる場合もあります。それは根管治療が行えないほど重症化した虫歯です。歯冠だけでなく歯根までボロボロになり、抜いた方が予後も良くなるようなケースは抜歯が第一選択となります。逆にいうと、それ以外のケースは適切な根管治療を行うことで抜歯を回避できます。つまり、根管治療というのは、歯の保存の可否を決定する重要な分岐点となるのです。
(3) 歯を長持ちさせることの重要性
医療技術が進歩した現代では、失った身体の機能をさまざまな装置で補えるようになりました。それは歯科医療も例外ではありません。例えば、歯を1本丸ごと失っても「インプラント」なら歯根から回復することが可能です。インプラントが天然歯のように美しく、よく噛めるのは人工歯根があるからです。
ただ、そんなインプラントであっても、あくまで人工物でしかありません。やはり天然歯が持つ審美性・機能性・耐久性・生体安全性にはかなわないのです。それだけに天然歯を長く使い続けることの方が患者さんにとっては大きなメリットとなるのです。失った歯を入れ歯やブリッジで補う場合は言うまでもありません。
【2】 根管治療のデメリット
ここまで根管治療を行う重要性について解説してきましたが、少なからずデメリットも伴いますので、その点はご注意ください。
(1) 歯が脆くなる
酸素や栄養素を供給している歯髄を抜き取ると、歯は自ずと脆くなります。根管治療後は、根管内を歯科材料で埋めて、土台と被せ物を装着するため、物理的にも脆くなることでしょう。これは根管治療を受ける上で避けられないデメリットといえます。とはいえ、根管治療を行わなければ歯そのものを失うことになるので、歯が脆くなることは根管治療における致命的なデメリットとは言い難いです。
(2)痛みなどを感じなくなるため、異常を自覚しづらくなる
神経を抜き取った歯は、外からの刺激を感じなくなるため、不快症状も現れません。仮に転んで歯を強くぶつけても、痛みを感じることがないのです。これはある意味で良い変化のように思えるかもしれませんが、実際はその逆です。外傷で歯根が折れても自覚することができないからです。被せ物の下で虫歯が再発しても自覚症状が現れず、気付いた頃には手遅れとなってしまうことも珍しくありません。ですから、歯科治療では歯の神経を極力残すように努めますが、細菌に感染してしまった場合は抜かざるを得ません。
【3】 根管治療のメリット
根管治療を行うと、次に挙げるようなメリットが得られます。
(1) 歯を残すことにつながる
根管治療を行う最大のメリットは、歯の保存です。歯を抜かずに残せることは、患者さんにとって何にも代えがたい利益となります。実際に入れ歯を装着した経験がある方なら、天然歯のありがたみを実感していることでしょう。自分の歯でしっかり噛めることは、それだけで大きな幸せとなるのです。
(2) 虫歯の痛みを取り除ける
根管治療が必要となるほとんどのケースでは、虫歯による痛みを伴います。それが辛くて歯科を受診される方が多いです。根管治療では、痛みの原因となっている感染源をきれいに除去することができるため、ジンジンとした不快症状も消失します。それだけでも根管治療を受ける価値は十分にあるといえるでしょう。
【4】 根管治療の注意点
根管治療は、どの歯科医院でも受けることができますが、得られる結果には大きな違いが出てきます。根管治療で後悔や失敗をしないためには、少なくとも以下の3点にご注意ください。
(1) 治療設備が重要
精度の高い根管治療を実施するためには、充実した設備が必要となります。歯科用CTやマイクロスコープなどを完備している歯科医院なら精密根管治療を行うことが可能です。
(2) ラバーダムの使用
ラバーダムとは、治療する歯以外をゴム製のシートで覆う器具です。治療中の歯が唾液などによって汚染されるのを防ぐことができるため、根管治療の成功率が高まります。
(3)抜歯が必要かどうか抜く前に相談(セカンドオピニオン)
歯の状態が悪く、根管治療を行うことは難しいと診断された場合は、その他の歯科医院にセカンドオピニオンを受けると良いでしょう。根管治療の経験が豊富で、医療設備も充実した歯科医院なら、歯を抜かずに残せるかもしれません。抜歯が必要かどうかの判断は、歯科医院や歯科医師によっても大きく変わる点にご注意ください。
【5】 プルチーノ歯科・名古屋院のご紹介
今回は、根管治療の内容や重要性、根管治療を行うメリット・デメリットについて、名古屋のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説しました。最後に、当院の虫歯治療や根管治療についても簡単に紹介させていただきます。
(1) マイクロスコープを用いた根管治療
プルチーノ歯科・名古屋院では、すべてのチェアユニットにマイクロスコープが完備されています。歯科医師だけでなく歯科衛生士も拡大視野での診療が可能となっておりますので、精度の高い歯科治療・予防処置がお望みならぜひ当院までご連絡ください。根管治療もマイクロスコープを活用して行います。
(2) 可能な限り歯を残します
歯はかけがえのない器官です。虫歯を重症化させてしまっても、先進の医療技術を駆使することで、歯を残せるケースはたくさんあります。他院で「抜歯する他ない」と診断された場合でもプルチーノ歯科・名古屋院なら保存可能かもしれませんので、まずはお気軽にご予約、ご相談ください。アクセスも良好でご利用いただきやすい歯科医院です。
(3) ラバーダムを用いた根管治療
根管治療を行う際には、原則としてラバーダムを用います。無菌的な環境を作り上げることで、根管治療の成功率も大きく上昇します。当院なら再治療のリスクを最小限に抑えた根管治療を実施することができます。