こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 夏、本番ですね・・・ アイスクリームが おいしい😋季節ですが、食べすぎ注意です☆ (美味しいご褒美を楽しむためにも、日ごろは控えめに・・・ですよ!) さて、お話は前回の続きです。 ①肥満・メタボリックシンドロームの疫学 世界的には5億人の肥満成人がいると推計さていて、さらなる増加が見込まれているそうです。 肥満者が増加することにより、歯周病と関連性が高い糖尿病など、いくつかの重大な疾患から受ける影響が大きくなっています。 肥満は予防できる病気で、死を引き起こす改善可能な第一の原因として考えられています。 日本国内での肥満者率は 男性28.7%、女性21.3%で(平成26年 国民健康・栄養調査)、ここ10年横ばいの状況です。 メタボリックシンドロームにおける有病率、男性25.3%(日本内科学会、1993年)です。 ②肥満・メタボリックシンドロームと全身疾患の関連性(メタボリックドミノ) ●過食や運動不足など生活習慣の乱れから、ドミノ倒しの最初の駒を倒すように肥満やインスリン抵抗性という病態が起きてきます。 ↓ ●次第にドミノは倒れて食後高血糖、高血圧、高脂血症といった生活習慣病を次々と招きます。メタボリックシンドロームの状態です。 ↓ ●メタボリックシンドロームでは比較的軽い病気が複数重なり、さらに年月を経て虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症など、重大な病気を引き起こす可能性が高まります。 ↓ ●こうしてドミノは総倒れとなり、心不全、認知症、脳卒中、下肢切断、透析、失明など重い病気に罹る危険性が非常に高くなります。 このように生活習慣の乱れからメタボリックシンドロームが起こり、病気が重なって一気に血管合併症が起こってくるという考え方がメタボリックドミノです。 ③肥満・メタボリックシンドロームと糖尿病との関連性 血糖値を下げるために膵臓のβ細胞から出るインスリンはインスリン受容体と働き血糖を下げます。肥満になるとインスリン受容体が足りなくなりますが、血糖を適正に保たせようと多くのインスリンを分泌させ膵臓に負担をかけます。また、肥大した脂肪細胞から分泌される炎症性サイトカインがインスリン受容体をブロックしインスリンがうまく働かなくなります。このようにインスリン分泌が盛んになっているにも関わらずインスリンが働きにくくなった状態を“インスリンの抵抗性”と呼びます。 この状態が長く続くと膵臓のβ細胞が疲弊し最終的にインスリン分泌能力が損なわれていきます。そして、血糖を下げる働きが弱っていき2型糖尿病の発症につながります。 肥満とメタボリックシンドロームは普段の生活習慣、食習慣の改善で防ぐことができます。 歯周病も日ごろのブラッシングや、歯科での定期的なケアで防ぐことができます。 食習慣を見直したいけれど、どうしたらいいのかなぁ? 歯科健診にいきたいなぁ! どちらも プルチーノ歯科・矯正歯科にお任せください♪ お待ちいたしております☆
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 今回からは 歯周病と肥満・メタボリックシンドロームについてのお話しです。 まず、はじめに・・・ ここ数十年の間に先進国および発展途上国において多くの肥満者がみられるようになり、また 肥満は死亡率を高める主要な原因であることは良く知られています。 その肥満に加え、メタボリックシンドロームは 抗炎症状態、脂質代謝異常、インスリン抵抗性などを伴い、歯周病との関連性が指摘されるようになりました。 歯周病が、心疾患、糖尿病、関節炎、低体重児出産など、他の全身疾患に悪影響を与える可能性があることは以前のブログでお話していますが、加えて 口腔内のバクテリアが 代謝効率増進、食欲増加、インスリン抵抗性の促進を通じて肥満に寄与している可能性があると考えられています。 では、 ◇肥満とは 健康を損ねるかもしれない程度、過度に体脂肪が蓄積している健康状態を指します。 肥満を診断するために体格指数のBMI(Body Mass Index)が用いられ、日本では25kg /㎡以上を肥満としています。 日本肥満学会は “肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする”状態 を肥満症とし、病気として扱うべきと提言しています。 体格指数の出し方と、体格指数に対する身体状態は以下の通りです。 BMI = 体重(kg) ÷ 身長(㎡) BMI 状態 18.5以下 低体重(痩せ) 18.5以上 25未満 普通体重 25以上 30未満 肥満 1度 30以上 35未満 肥満 2度 35以上 40未満 肥満 3度 40以上 肥満 4度 BMIのみでは全身的な評価で 体脂肪分布が評価できない為、腹部肥満を評価するためには腹囲測定も必要です。 (太ってるイメージ、あっぷっぷ。。。) そして、 ◇メタボリックシンドロームとは 内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)であることに加え、 中性脂肪高値・HDLコレステロール低値、血圧高値、空腹時血糖値高値のいずれか2つ以上を併せ持った状態のことを指します。 日本での診断基準は以下の通りです。 項目 基準値 腹部肥満 男性85cm以上 、女性90cm以上 中性脂肪 150mg/dl以上 HDLコレステロール 40mg/dl未満 血圧 収縮期130mmHg以上 / 拡張期85mmHg以上 空腹時血糖値 110mg/dl以上 最近、 健康診断 は受けましたか?少々太っていても、少々数値が悪くても、痛くもかゆくもないので放っておきがちですが、肥満症やメタボリックシンドロームは放っておくと心疾患や脳血管疾患などの重篤疾患につながりかねません。 歯科検診 は受けましたか?歯周病は肥満やメタボリックシンドロームと関連があるのです。 健康診断も、歯科検診もぜひ定期的に受けましょう! 歯科検診はプルチーノ歯科・矯正歯科にお任せください♪ お待ちいたしております☆ 次回は歯周病と肥満・メタボリックシンドロームの続きです。
こんにちは! プルチーノ歯科•副院長の小川です。 美味しいものを食べることが大好きですが、AGEsについて勉強をしていると食べながら、頭の片隅でエネルギーや脂質などを常に考えてしまいます。 先日AGEsについてブログを書きましたが、御理解いただけたでしょうか? →AGEsって知ってますか?歯周病と糖質の関係 今回はAGEsの対策について書きたいと思います。 まず、AGEsは糖とタンパク質が加熱されて生成されますので、AGEsを生成しない調理法を行えばよいのです! ①100℃以上の高温で調理しない! 揚げ物、オーブン料理、電子レンジ、炒め物を繰り返し行うとAGEsが増える原因となります。最近は電子レンジで簡単調理が可能となりましたが、AGEsが増えるので、控えた方がAGEs対策にはオススメです! では、どう調理したらよいでしょうか? 答えは、煮る、蒸す、茹でるといった調理です! そうです、和食です!和食が健康に良いということはよく耳にするお話ですが、AGEs対策に持ってこいの調理法なのです。 でも、美味しいお肉だってお魚だって食べたいですよね。そんな方はあらかじめ低温でソテーすることで、AGEsの発生を抑えることが出来ます♪ ②正しい油の選択を行う。 コレステロールゼロの油など様々な油が出回っていますが、植物油はAGEsを増やす原因になります。植物油に含まれるリノール酸の過剰摂取はアトピー性皮膚炎に繋がるなど様々な疾患をもたらすといわれています。ひまわり油や菜種油、ごま油などの植物油の過剰摂取は気をつけた方がよさそうですね。 そして油を使用する際もコールドスタート(冷たい鍋に油を注いでから火をつける)や油の繰り返し使用を避けることでもAGEs対策になります。揚げ物をする際はたくさん油を使用するので勿体ないですが、濾過では酸化物質やAGEsは除去出来ません。健康のためにも油の繰り返し使用は避けましょう。 調理方法というのは調理する側にゆだねられますが、食べる側の選択でもAGEsを減らすことは出来ます。 ①AGEsをためない食材選び AGEsは血糖値×持続時間という内容を前回書きましたが、糖質の高い食べ物を食べ続ければ勿論AGEsの生成量は増えてしまいます。 “異性化糖(デンプンを酵素又は酸により加水分解して得られた、主としてブドウ糖からなる糖液、別名コーンシロップ)”はAGEsを作る速度が10倍といわれています。お買い物する際に裏側を見てください。お菓子や清涼飲料にたくさん含まれています。 また、冷凍食品やレトルト食品も高温加熱になるのでAGEsを生成しやすくなります。 では、AGEsをためない食材とはなんでしょう? 難しくなりますが、答えは、αリポ酸やスルフォラアン、抗酸化作用のある野菜、クエン酸を含む食材です! 具体的には •αリポ酸‥ほうれん草、トマト、人参、ブロッコリーなど •スルフォラアン‥ブロッコリースプラウト、スーパースプラウト •抗酸化作用のある野菜‥白菜、生姜、カブなど •クエン酸‥レモン、すだち、柚子など その他、大豆やこんにゃく、きのこ、納豆や山芋などのネバネバ系食材、海草類もAGEsを抑えてくれます! 唐揚げやさんまの横にレモンやすだちなど置いてありますが、これはAGEsを抑えるためにも使ってあげるとよいでしょう♡ その他にもノニノニやビート、ワイルドベリー、ブドウ、タマネギの皮、ビタミンK、ハスの実、シナモン、ルイボス、DHA、イソフラボン、エピカテキン、オメガ3脂肪酸も糖化を抑制してくれます。 ②食べ方に注意する。 これが1番何も気にせず楽に行えるかもしれませんね。 •よく噛んで食べる。 •ながら食べを避ける。 •こげたものを食べない。 •タンパク質から食べ、最後に炭水化物を食べる。 •甘い物は食後に食べる。 •食後は就寝まで2~3時間空ける。 カミング30という言葉がありますが、30回は噛んでから飲み込むようにしていただくと消化酵素も分泌されるのでオススメです! ③適度な運動を行う。 食後20分〜30分経過してから、20分~30分程度運動するとよいと言われています。 全てを行うことは難しいかもしれませんが、出来る事から始めてAGEsを減らしましょう! また、補足ではありますが、肌も70%がコラーゲンタンパク質で出来ているのでAGEsを摂取し続けるとくすみ、たるみ、黄ばみとして現れます。紫外線は肌の表層にあるケラチン線維をAGE化するため、UVケアは年中行う必要があります。 特に日差しが強い季節ですから、みなさんお肌のAGEs化をしっかり防いで美肌を目指しましょう。 また、アディポネクチンについてブログを書きたいと思います。
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 まず、歯周病と歯周治療の周産期合併症への影響 ◆ 歯周病 → 周産期合併症 ①歯周病に罹患した妊婦は、早産、低体重児出産、早産低体重児出産、妊娠高血圧腎症のリスクが増加する。 ②炎症性物質、ホルモン、タンパク分解酵素が血行性に胎児に到達して影響を与える可能性がある。 ◆ 歯科治療 → 周産期合併症 ①歯周治療は歯周炎をもつ妊婦の周産期合併症を改善する可能性が低い。 ②歯周治療は妊娠初期か受胎前に行うべきである。 ③妊娠中(もしくは妊娠を望んでいる方)の歯周治療は以下の様に。 〈歯周が正常な場合〉・ブラッシング、歯管清掃(フロス、歯間ブラシ)が重要 〈歯周炎の場合〉歯垢・歯石除去による炎症の抑制 前回、”歯周病の治療と予防は周産期合併症の原因を1つ減らすことになる”という事をお伝えしました。 予防については、歯周病にならないに越したことはありません、妊娠前も妊娠中も、もちろんその後も続けていきましょう。 上記の中にもありますが留意しなければいけないのは、歯周病にかかっている場合の治療の時期。 妊娠中に歯科治療を行うことは局所的、全身的感染のリスクを減らすためには時期が少し遅く、早産を防ぐことにおいては効果が低いようなのです。 ですから、治療は妊娠初期または受胎前に行うことが とても重要なのです。 結婚を機に婦人科で検診を受ける方、妊娠を望んで婦人科にかかる方、いろいろいらっしゃると思いますが、同時に 歯科検診も受けましょう! 健康な口腔環境は、赤ちゃんの健康も育みます ♪ プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております☆
周産期合併症と歯周病の関連メカニズム
17.07.07
カテゴリ:BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療スタッフブログ一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科予防歯科治療BLOG一般歯科
こんにちは、管理栄養士の鈴木です。 今回は周産期合併症と歯周病の関連メカニズム・・・ 少々難しいですが、ご一読 くださいませ☆ 正常妊娠では胎児は無菌の羊水で満たされた子宮で成長し、へその緒を通じて血管が豊富な母体の胎盤から栄養供給を受けています。 妊娠には様々なホルモンがかかわっており、妊娠維持に極めて重要でプロゲステロンを合成するヒト絨毛性ゴナドトロピン、胎児の成長にかかわるヒト胎盤性ラクトーゲン、妊娠維持や頸管熟化にかかわるエストロゲンやプロゲステロンなどが挙げられます。 子宮内で胎児の成長が進むと、羊水内のプロスタグランジンE2(PGE2)、TNF-α、IL-1βのような炎症性物質、オキシトシンなどのホルモン、タンパク分解酵素が増加し、それらによって、子宮収縮、頸管熟化・頸部の拡張、羊膜の破裂、そして出産へと繋がっていきます。 このように、正常分娩はホルモンや炎症性のシグナルにコントロールされているため、感染や炎症などの外部刺激でそれらが変化してしまうと、周産期に影響を受ける可能性が高くなります。 また、妊娠中は母体の免疫機能が低下し、感染症への抵抗力が減弱し、罹患すると重症化しやすい傾向があるといわれています。 歯周病による炎症性物質や歯周病原細菌とその毒素などは、血液循環を経て全身に広がり全身的な炎症反応や異所性の感染を起こすことが報告されていることから、歯周病と周産期合併症(特に早産・低体重児出産)との関係について、2つの経路が考えられています。 1.直接経路 歯周病原細菌や病原菌は血液循環を経て胎児や胎盤へと異所性の感染を起こし、その局所の炎症により炎症物質が増加して、結果的に周産期合併症を起こします。 2.間接経路 歯周病により歯周組織で産生された炎症性物質が血液循環を経て ①胎児と胎盤に到達し、その部位で炎症性物質の濃度を上げる。 ②肝臓では歯周炎により産生された炎症性サイトカインIL-6に対する急性期の反応でC反応性たんぱく質が上昇し、さらに血液循環を経て胎児と胎盤に到達する。 これらの結果、周産期合併症を引き起こすと考えられています。 細菌が子宮へ感染する場合と炎症性サイトカインが直接的・間接的に子宮へと到達する場合があり、複数の経路によって影響を受けることが分かっています。 周産期合併症のリスク上昇と関係する因子として、母体側の因子(感染症、頸管の異常、子宮の異常、生活環境、流早産歴、母体合併症)と胎児・胎盤側の因子(多胎、前期破水、胎盤位置異常、胎盤早期剥離など)が挙げられます。 この中で子宮内感染が周産期合併症の主要原因の一つとされ、細菌性膣炎・尿路感染以外に歯周病が注目されています。 歯周病の予防や治療をしておくと、周産期合併症の原因が1つ減らせるんですね。 歯科検診、最近行きましたか? つい自分のことは後回しになりがちですが、これから迎える赤ちゃんのために 行きましょう、歯科検診♪ プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております☆