こんにちは、管理栄養士の鈴木です。
今回は周産期合併症と歯周病の関連メカニズム・・・
少々難しいですが、ご一読 くださいませ☆
正常妊娠では胎児は無菌の羊水で満たされた子宮で成長し、へその緒を通じて血管が豊富な母体の胎盤から栄養供給を受けています。
妊娠には様々なホルモンがかかわっており、妊娠維持に極めて重要でプロゲステロンを合成するヒト絨毛性ゴナドトロピン、胎児の成長にかかわるヒト胎盤性ラクトーゲン、妊娠維持や頸管熟化にかかわるエストロゲンやプロゲステロンなどが挙げられます。
子宮内で胎児の成長が進むと、羊水内のプロスタグランジンE2(PGE2)、TNF-α、IL-1βのような炎症性物質、オキシトシンなどのホルモン、タンパク分解酵素が増加し、それらによって、子宮収縮、頸管熟化・頸部の拡張、羊膜の破裂、そして出産へと繋がっていきます。
このように、正常分娩はホルモンや炎症性のシグナルにコントロールされているため、感染や炎症などの外部刺激でそれらが変化してしまうと、周産期に影響を受ける可能性が高くなります。
また、妊娠中は母体の免疫機能が低下し、感染症への抵抗力が減弱し、罹患すると重症化しやすい傾向があるといわれています。
歯周病による炎症性物質や歯周病原細菌とその毒素などは、血液循環を経て全身に広がり全身的な炎症反応や異所性の感染を起こすことが報告されていることから、歯周病と周産期合併症(特に早産・低体重児出産)との関係について、2つの経路が考えられています。
1.直接経路
歯周病原細菌や病原菌は血液循環を経て胎児や胎盤へと異所性の感染を起こし、その局所の炎症により炎症物質が増加して、結果的に周産期合併症を起こします。
2.間接経路
歯周病により歯周組織で産生された炎症性物質が血液循環を経て
①胎児と胎盤に到達し、その部位で炎症性物質の濃度を上げる。
②肝臓では歯周炎により産生された炎症性サイトカインIL-6に対する急性期の反応でC反応性たんぱく質が上昇し、さらに血液循環を経て胎児と胎盤に到達する。
これらの結果、周産期合併症を引き起こすと考えられています。
細菌が子宮へ感染する場合と炎症性サイトカインが直接的・間接的に子宮へと到達する場合があり、複数の経路によって影響を受けることが分かっています。
周産期合併症のリスク上昇と関係する因子として、母体側の因子(感染症、頸管の異常、子宮の異常、生活環境、流早産歴、母体合併症)と胎児・胎盤側の因子(多胎、前期破水、胎盤位置異常、胎盤早期剥離など)が挙げられます。
この中で子宮内感染が周産期合併症の主要原因の一つとされ、細菌性膣炎・尿路感染以外に歯周病が注目されています。
歯周病の予防や治療をしておくと、周産期合併症の原因が1つ減らせるんですね。
歯科検診、最近行きましたか?
つい自分のことは後回しになりがちですが、これから迎える赤ちゃんのために
行きましょう、歯科検診♪
プルチーノ歯科・矯正歯科でお待ちいたしております☆