
矯正歯科治療とは
矯正歯科治療とは、口腔内(口の中)や口の周りの機能や見た目を整えることで、不正咬合や顎関節症などの治療や出っ歯などの見た目(審美的)の改善を図るための治療です。
治療は小児から大人までどの年代でも受ける事ができますが、年代によって受ける事のできる治療方法は変わってきます。
また、小児の方が大人よりも体が成長途中で骨などの組織も柔らかいため、治療期間が短い場合が多いです。
この記事では、矯正歯科治療の内容や治療に使用する矯正装置の仕組みやそれぞれの装置の役割について解説します。矯正治療を検討される際は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
矯正歯科治療の目的
矯正歯科治療には、①機能的改善②審美的改善という、大きく分けて二つの目的があります。
私たちが食物を摂取する時の大事な入り口となる口腔は、様々な種類の筋肉と顎骨をはじめとした骨格が連動して動くことによって、機能しています。また、口腔内に食物を取り入れて効率的に咀嚼(そしゃく)をして嚥下(えんげ)をするために、歯の噛み合わせや舌や喉の動きなどが重要な役割を果たしています。
しかし、この働きのバランスが崩れてしまうと、様々な問題が起きてしまいます。
その結果、顎関節症・顎変形症・咬合不全(反対咬合など)や開咬不全などの機能障害が起こってしまいます。これらの症例が原因で機能障害が起きてしまうと、顎の痛みや頭痛・肩こりなどの症状が出てしまったり、食物を効率よく摂取できず栄養として体に取り込めなくなってしまい、さまざまな体調不良などを引き起こしてしまう可能性もあります。
また、これらの機能のバランスが悪くなってしまうと、外見(審美的)にも目立つ変化が起こってしまいます。上下の顎骨の大きさや位置などが通常の位置と違いバランスが崩れてしまうと、歯がきれいに並ぶスペースが確保できずに歯並びが悪くなってしまったり、前歯が前方に飛び出してしまうと出っ歯や受け口と呼ばれる状態になる症例が多くあります。
矯正歯科治療は、これらの問題を改善するために顎骨や口周りの筋肉のバランスを調整したり、歯並びを整える事を目的とした歯科治療です。
顎骨や筋肉などを動かしておこなう矯正治療とは
顎変形症は、家族間で同じような状態が見られる(出っ歯や受け口、しゃくれなど)場合や先天性の疾患が原因で成長途中で顎骨の成長の異常が想定される場合などには、一般的にも小児期から矯正治療を行うことがよくあります。また、成長途中の小児の歯槽骨や筋肉などはまだ柔らかいので動かしやすく、成長とともに矯正した状態で固定されて安定しやすいという利点もあります。
顎の治療に関しては、「動かす」ことで行う矯正治療と、「削る」「補足する」などを目的とした外科手術が行われています。
ここでは、額骨や舌・口腔周囲筋(口の周りの筋肉)の矯正治療について紹介します。
・プレート矯正(床矯正治療)とは
人間の歯は、通常では乳歯では20本、永久性では親しらずを除くと28本が生えてきます。ここでもわかるように、乳歯は永久歯よりも8本少なく、永久歯がきれいな歯列で並ぶためには、上下左右の乳歯の一番奥の歯よりもさらに奥に2本追加されるだけのスペースが必要になります。
成長に伴い顎は成長しますが、それでもスペースの確保が難しいと想定される場合には歯を並べるスペースを拡大するための治療が行われます。
プレート矯正は、上顎の口蓋(歯の内側の喉につながるスペース)にプラスチック製のプレート(床(しょう))を装着します。プレートには、金属製のワイヤーやバネが入っていて外側に向かって力をかけていきます。かける力の強さはネジを巻いて調節し、一定の力をかけて顎骨をゆっくりと少しずつ押し広げていきます。1ヶ月に一度くらいのペースで歯科医院に通院してネジなどの装置の調整やメンテナンスを行うのを繰り返し、患者さんが自分で1日の決められた時間(14時間くらい)の間、装置を装着することで治療を行います。
・小児用マウスピース矯正装置「プレオルソ」
人間の体は骨格の周りに筋肉や神経などの組織が張り巡らされていて、体を動かすためには非常に重要な役割を持っています。骨や筋肉のバランスが取れているからこそ、体のそれぞれの機能は正常に動くことができます。
そのため、歯科矯正治療では歯や顎骨の状態を整えるだけではなく、口の周りの筋肉である「口腔周囲筋(こうくうしゅういきん)」や口の中で重要な役割をはたしている「舌(ぜつ)」の働きも整える必要があります。
口腔周囲筋は口の周りにある筋肉の総称です。この筋肉が伸びすぎたり縮みすぎてしまうと口を閉じたままの状態を維持するのが難しくなって無意識に口が開いた状態になってしまったり、顎を動かすのが難しくなってしまったり、食物を上手に咀嚼・嚥下することができなくなってしまいます。
また、舌筋(ぜっきん)は舌を動かすための筋肉の総称です。舌は複数の筋肉が連動することで前後や左右上下に動いていますが、筋肉が弱くなってしまうとうまく動かすことができなくなってしまい摂食嚥下や発音に影響が出てしまいます。
プレオルソは、口腔周囲筋や舌の筋肉のトレーニングをして、機能的に動かされるようにするための小児用マウスピース矯正装置です。マウスピースの矯正力を使って歯並びを整えるのと同時に、口腔周囲筋や舌筋のトレーニングをしたり、舌の動きの癖を修正することができるのが特徴です。
プルチーノ歯科・矯正歯科では、小児のプレオルソ歯科矯正治療を行っています。24時間webから初診前のお子さまのお口の悩みや矯正治療に関する費用などの相談や説明を矯正に関する高い技術力を持った矯正専門歯科医が行う無料カウンセリングの予約を受け付けていますので、ぜひアクセスしてください。
歯を動かすための治療(歯列矯正治療)とは
全ての歯がきれいに並ぶためには、歯を並べるスペースがとても重要です。スペースを確保する為には前述したように顎などの大きさも関係していますが、歯の生え変わりのタイミングや歯自体の大きさも関係しています。
そういう場合は、スペースを作りたいという理由で抜歯をしてから歯列矯正を開始する場合もあります。
歯列矯正の種類
歯列矯正は、歯の向きや位置を変えることで歯並びを整えていきます。
歯列矯正の主流の治療法として、「ワイヤー矯正治療法」と「マウスピース矯正治療法」があります。ここでは、それぞれの治療の流れや仕組みについて説明していきます。
・ワイヤー矯正治療法
ワイヤー矯正治療法は、歯の表側の表面に接着したブラケットという装置に、メタル製の太いワイヤーやゴムを通して元に戻ろうとする力を利用して歯を動かしていきます。
比較的歯や歯の周りを支える組織(歯根膜など)に強い力をかけて治療をすることができるので、抜歯によって開いた広い隙間の移動をしたり広範囲の矯正治療にも対応できるのがメリットです。さらに、アンカースクリューなどを歯茎に装着してゴムの伸び縮みする力を利用し、歯に強い力をかけていきます。
また、見た目には目立ちにくい歯の裏側に装置を装着する舌側矯正もあります。
しかし、強い力を加えるのでその影響で歯や顎に痛みを感じることもあります。
ワイヤーなどの装置は月に1回くらい歯科クリニックに来院してメンテナンスや矯正装置の調整をしながら治療を進めていくので、患者さんは自分で装置を取り外すことはできません。
そのため、食事の時に細い食べかすが装置に残りやすく、さらに装置が邪魔で歯磨きで歯垢や食べかすをきれいに取り除くことが難しくなってしまいます。それが原因で、歯周病や虫歯になってしてしまう可能性が高くなることがデメリットといえます。
・マウスピース矯正治療法
マウスピース矯正治療法は、患者さんの歯型を採取してマウスピースを作ると、マウスピースの形状維持をするためにかかる力を利用して歯を動かしていきます。
マウスピースの矯正力はあまり強くないのであまり広範囲の矯正治療には向いていませんが、部分的な矯正治療には有効です。また、歯にかかる力が弱く口の組織が引っ張られる力も弱いので、顎や歯に痛みがでにくいことがメリットです。技術の進歩で多くの症例に対応できるようになってきています。
マウスピース矯正は、定期的に歯科医院で経過観察と口腔ケアなどの診察やメンテナンスをしながら、患者さんが矯正専門歯科医の指示に従って自分でマウスピースを管理したり装着することで治療を行います。
マウスピースは歯科医師の指示に従って交換していき、歯の向いている方向や位置を動かして理想の歯列に近づけていきます。
また、患者さんが自分でマウスピースを着脱することができるので、食事や歯磨きの時には外すことができ、食べかすの除去がしやすく水洗いもできるので歯周病や虫歯になるリスクを低く抑えることができます。また、マウスピースは透明に近い色の薄い素材でできているので、ワイヤー矯正治療とは異なり外側から目立たないのも特徴です。また、ホワイトニング治療などにも引き続き使える場合もあります。
プルチーノ歯科・矯正歯科では、最新のマウスピース矯正システム「インビザライン・システム」を導入しています。
3Dスキャナーで患者さんの口腔内のデータを取り込み、その情報を基に作られた自分の歯並びに詳細まで適応したマウスピースを利用してコンピューターで成果を確認しながら治療をすることができるので、効率的に治療を行うことができます。
院長をはじめとしたインビザライン・システムに関する専門的な知識や技術と豊富な経験を持っていると認定されたインビザドクターが治療を担当するので、安心して治療を進めることができて、さらに治療の完成度を高めることができます。
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